Handlename’s diary

色んなキモいヲタクです。

これゃ

※作者は以下の表現に見られる過激な思想は一切持ち合わせてない。全部、フィクションのキャラのイチ性格。

 

 

 

 ◯◯ま……。

 ◯◯が呟いた言葉は、暗く静かな部屋に白い息と共に霧散した。

 寒い。あぁ今日は、肌寒い夜だ。兎2匹が餅をつく月面が星空に浮かび、辺りを黄金に照らす窓からは、まるで耽美な絵画を見てるような気分を感じさせる。しかしそこから冷めた月の光が3Dなカーテンで切り裂かれた形になり、首元から胸板、左の二の腕、◯◯まの白く雪の沁み入ったような肌へと映された。プロジェクションマッピングのように四角い真っ白、と、その周りの暗闇の対照に、まるで意識がホワイトバックするかの如く目が眩み、思わずつむる。これ以上、刺激的な現実に乱されたくないかのように。俺は、このドキドキから逃れたいのか。苦しいのか。

 不思議だ。幸せなはずなのに、胸が痛く、辛い。知っていたように、これまで期待していたように、良いことではないのかもしれない。なぜか、黒く罪深いコーデンタールに心を蝕まれる。無数の虫でもあった。

 半ば無意識に、暗闇の中、右の方の二の腕をにぎる。柔らかく、凡百な表現だがそのまま指が吸い込まれるかのようだった。「はっ。。。」◯◯まから、声が漏れる。そうか、そうだな、これは◯◯まの身体で、自分の頭の中の現実での初恋の相手と地続きの白き柔肌の円柱だったのか、と思い当たる。

 そう意識した瞬間、自覚した瞬間。もう興奮が胸の中身を昂らせ死を感じさせるほどに頭をクラクラさせる。呼吸は浅く、一方で情動は腹の底から深く。獣は自身の頭の中にある理想の星空から舞い降りて来た全裸の兎を、まるで格好の餌食だと言わんばかりに喰い荒らす。餅の原型を残さずに引き裂きボロボロに使い果たすのだと。柔らかく伸びる肌なんて許せない。白は爪で赤く軌跡を残して、永遠に記録を残す。ズタズタに。後に訪れる後悔の残響をより大きくする背徳的快楽を享受する歓びの時間。自らの快感の為に最愛の人を薄く引き延ばし折り畳み切り刻みもみくちゃに手で慰みにして、終いには手から口に放りだしたかと思えば、咀嚼し、して、白く美しくもちもちの感触の白玉の天使を崇高で自由な星空のステージから、低俗で卑しいストリップ嬢の様に引きずり降ろし、たかが売女と同じ扱いをするのだ、そして、そして、それは咀嚼と同義で、きっと、きっと、吐き捨てる頃にはソレはもう白と赤と汚れを入り混じり丸めた、食えない泥団子のごとき醜悪なのだ。そしたらもう、俺は気持ちが冷めて全く興味をなくすんだろうな。汚物だから。そう、つまり。殺すのだ。きっとするのだと、自分がそばで狂乱の渦中に腰を動かして身がせわしなくもがく姿を、眺める。

 俺が、冷静になったその時、ようやっと半裸の自分が全裸の◯◯まの上で暴れながらズボンのベルトを外すのに苦労しているのだと知った。春から冬と、ずいぶんと時を経たものだ。

 春のうららかな雰囲気醸す青年に初対面の時から心惹かれていた俺は、心の底では、ずっとずっと、今日この日のこれを待ち望んでいたのだろうか。まるで、純粋(ピュア)で善いもので綺麗な思いの皮を被り。感情を持っていたんだ。

 青空。高いリゾートホテルの、外にあるタイプのプール。立っているのは、プールサイド。周りにはヤシの木が緑の景観として、邪魔にならないように植えられている。しかし、視界の真ん中にはとんでもない絶景が。すぐそこのプールから、ちょっと先。まっすぐ階段を降りたところかな。深い青海や明るく透き通る波と底の抜けな青空とそれを映える鮮明な薄黄の砂浜が。美しい。網膜を焼く。理想だ。えがかれたような。嘘くさい、まである。一枚の写真。両サイドにヤシの木。手前には広い綺麗なプール。

 あの子たちもいる。

 清廉な透明度をもつ肌にしゃらんと流れる幾千もの金色の斜線。水着で、巨乳に目が行く。ミノミだ!

 赤く髪に燃える光。鮮烈に笑う彼女は、マキちゃんだ!水着に、薄く白いパーカーを羽織っている。

 「オラッ! 早くこっち来いよ。」

 マキちゃんは俺の腕を引き、遊びの誘いをする。

 そうだった、楽しかった日常は戻って来た実感がした。

 まるで寄りかかるようにミノミも、腕に掴まる。ハハっ、メノミのよくある手口だ。

 プールサイドを、歩き出す。

 「先に、レイちゃんは海辺で本読もうかな、って。」

 なるほど。途中で合流しようかな。

 ちなみに、◯◯◯クちゃんと、ムラサキちゃんと、ネ◯ちゃんと、…。は、只今、諸事情で、都合が合わず。欠席だ。残念だなぁ。

 「ハハハ。」

 青空から降り注ぐ日の光が、眩しい。これだ。俺は、長年これを求めていたんだよ。

 「ハハハハ。」

 明るい世界。夏のある日。カラっ、と優しい風が俺達の身体を撫でる。

 「おい。そっちに行くのか。父さん、こっちで寝ておくからな。」

 ふと。斜め後ろのビーチパラソルから、お父さんから声がした。そうか。

 涙が出そうになるも、堪える。

 そうか、そうだったのか。そこに居てくれたのか。ずっと、お父さん……。やめだ。やめだ、これは!カラッといこうぜ。

 気持ちを切り替えて、改めて子供の頃から大切な宝石ばかりを集めたようなこの心の中にある決して譲れないような世界を思う。これから、まだまだ守って行こう。

 二人が先にプールに入るのを見て、自分も手すりに触れ、大股に段差を跨ぎ底に足をつける。おぉっ、思いのほか寒いな。

 「ハハハ。」

 腰あたりまで、水面が上がる。

 本当に、視界が明るい。端がモヤがかっているみたいに。

 右を振り返る。

 栗色のボブな髪、◯◯コちゃんだ。

 「さぁ、俺、やるよ。◯◯コちゃん。」

 右手で頭を撫でつつ、自分に言い聞かせる様に呟く。

 「うんっ、がんばって!」

 楽しい。背後に広がる世界の全てに応援されて、俺は今立っている。いや、背中を押されている。楽しい。まるで、幼い頃のレクのようだ。

 周りの景色は明るいのに、手元を見下ろすと暗闇に白い腰が浮かんでいる。ガッチリ両手で掴んでいる。

 そういえば、さっきズボンは脱いでおいたんだ。あッ、パンツ。

 よし、脱いだ。ずっと好きだった、明るい曲が流れている。

 「フェスみたいだね。声をかける。」

 声をかける。

 声をかける。って、声に出しちゃった。

 俺は今、諧謔の精神に占められているのかも。全部、メタに、作為的に意図で。

 こいつは、さっきから何も声を発しない。

 「俺は、いつでもいいよ。」

 ◯◯まは、白くやや骨ばり筋肉の浮かび上がったゴツゴツとした背中を向けている。逆三角形的で、立派なモンだ。

 ここで、気付いた。コイツ、男じゃねえかよ。ってか、じゃあ、コイツホモなのかよ。

 

 まぁ、いいか。

 犯す。それだけ。

 

 倒錯の末、

 

 同性に性的暴力を振るう。

 

 

 

 ……ハハ。

 アスレチックみたいだ。

 右上にある脚を担ぎ、左は自分のブツを掴み狙いを定めるのに使う。

 ギンギンに立っている。

 楽しい。これで生きて来た意味が分かってくる。楽しいな。

 突き刺すと共に、官能的な快感が気持ち悪いタコに包まれたような下俗な感触とセットで来る。

 引っこ抜き、また入れ、また引っこ抜き。

 繰り返していると、全身が粟立ちゾクゾクと下腹部から寒気を感じながらこれまでにないような自身の脳との直接接続をしていた。

 この世界には、戻ってこれたという意識と自分を取り戻したかのような気分を抱かせていた。

 なぜ生きるのか。