Handlename’s diary

色んなキモいヲタクです。

DVろくろっ首美少女ラブコメ胸安心ほっこり系物語

 官能小説を読んでいた夜、ふと廊下側から物音が聞こえたので向かうと着物が落ちていた。

 昨日の不気味な夢が思い出される。
 日本人形の顔。何となく抵抗を感じつつも着物を持つと、なかなかいい肌触りだ。これは上物だろう。なんで?こんなものが
 うわぁ、悪寒が背中を通り過ぎて行った。
 なんだこれ。初めてだ。第六感というものだろうか、廊下のあの角の先からこちらに明らかに嫌な予感が向かってきてる…様な
 気ッ持ち悪ぃ〜〜、怖ッ。てか
 ぞわぞわ。
 左は縁側になっているのだが、中庭も真っ暗で何も見えない。ざあああっ、おろ。雨が降っているではないか。恐怖過ぎて、気付かなかった。どうしよ
 このまま戻るがいいか、いやでも気になるし。今この屋敷は不穏だぞ。そうことなかれで安全を確保できるのだろうか。夜風がいやに涼しい。悪寒を増長させてくれるな。かたかたと震える。…ともかく、予感とは反対へ。
 ……あっ。
 馬鹿だ。後ろ普通に行き止まりだよ。絵画と棚と花瓶が置いてら。
 しゃーない、降りて中庭からずぶ濡れにでもなって逃げるか
 とりま正面玄関方面へ…。っと、うっすらとした月光が、曲がり角の向こうの壁、そこに妖しげな女性の影を。。。
 どっひゃあ〜〜〜!!
 身体反転。
 しゃあない逃げろおおお!!!うおおっ、どばっ。泥の水たまりを気にしないぜ!踏み抜く!走れぇーーーー。足裏に丸い小石が刺激!関係ないね!!うぉぉずんだかずんだか。
 ちらっ。後ろを振り返る
 ひゃぁっ、見なけりゃ良かったかも。
 おぞましい長身の女が…。角からこちらをのぞいてる 長い首だけ出して。
 すわ ろくろっ首的なやつか!?ゲボ怖ぇなリアルで見ると!! 泣きそう 全力猛ダッシュ
 死ぬのかっ!!?掴まったら
 超チェイスだ。
 掛け、走る。雨をも搔い潜る疾走のランニング。本気の俺は鬼ごっこ超得意だぞ。なぜか
 昔からな、まぁ当時から陰キャだったし狙われることも稀だったが。
 悪夢でも見てる気分だ。
 街中へ飛び出す。見慣れた商店街も夜闇に照らされ異様な様相を呈するね。知らない
 後ろを振り返る。
 何も追ってこない。
 俺の勝ちだ! 転ぶ。膝をすりむく。涙が出る。あっ!?目の前にとがった石、ほう、おしまいだな。目が潰れる。血が出る!!痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い、へっ!?驚くほど痛い。こんなもんなんだ。こりゃ終わったな。
 左目に手を添えつつ走る。泣きそう。通りの商店の角から例のやつ。首が長くいやらしく笑いながらこちらに頭部を寄せる。セメントの窪みから生じた水溜まりに足を滑らせ後ろ向きに身を反転させる。足が振り切れ、背中が叩きつけられる!あがはっ。
 顔面に容赦なくいつのまにか大量になった、雨粒が、はぁっ、振り降ろされる。溺死っ。
 こちらを見る。頭部。何すんだろ。
 …肺が息を求め深く膨れ萎む上へ下へす、る。普通の人はここで死ぬ。
 だが、俺は天才だ。脳を高速で思考させる。回路に電子が有り得ないスピードで行き渡る。稼働してるのさ。ざまあ、俺はこんな下等妖怪より超強いのだ。馬鹿め。俺より全然弱い、見誤ったな、馬鹿だから。ははっ、キモい。情けないぜ。侮蔑するね。雑魚妖怪が、思い知れ。
 痴れ者が。何を相手にしてるのか。分からせてやれねばな、幾らなんでもここは本気で、はぁっ、はは。やってやろう。やってやる。
 殺すぞ。おう。ほら、こいつはなんでここにいる?俺になにか害そうとしてる?害そうとしてるか?してる。そうだよな、じゃあどうするか。着物はここにあります。明らかこれがキーです。確実に目的や理由があるはずです。あります、分かりません。もう無理です。余裕ないや0.5秒じゃ。まぁ、でも天才なんで。
 そこらの泥水につけ衝動のままにビリビリに引き裂く。泣けや。
 きょとんとしてら、関係ないのか、おっ、泣きそうだ。S心が刺激される。なんでだろーね、彼女の着物を見ると、これと酷似してる。知らん、こいつが悲しむのが気持ちいい、おらおらっ。例えお前が俺になにか親切心で良い奴でもやっぱり俺は超気持ち良いぜ。これはいいね。お前が不幸なほど気持ちいいぜ。今がチャンスだ。手の帯を長ーーーい、首にかける。いきなり寄せる。容赦なく膝で額辺りに一発。思いっきり。痛いだろう、
 この際俺の四肢はどうなってもいい。傷なんかどうでもいいや、って思った。
 殴れ、殴れ。泣け、泣け。痛いだろう。
 1番自分がやられたくないことをやろう。
 おらおらおらっ。殺すか?喉元切り裂きながら大元へ。だぜ!へっへっへ
 まるで小学校の時分、草の茂みの中 身体を擦り切る草の傷を気にせず駆け抜けた記憶を思い出す。似た感覚だ
 こいつは苦しませるべきだ。 手に持ったビンでどうしよう。へっへ。
 バァン!!!胸と肩になんとなくどぉん!!!。一線越えちまったかな?分からねぇ。
 いや、どんなんなってもいいや。好きかっていぇーーい。
 罪悪感が最高のスパイスだぜ。よく言ったものだぜ。胸を刺すような甘美な快楽が。クセになっちゃいけないような気分だぜ、堕ちていくね。そんな感覚。
 あーあ、もう戻って来れねえよ。寂しいね。
 暖かいことばっか思いだしては、寂寥の念に駆られる。狩られる。ははっ。
 聞いた?痛ぁーいっ、てよ?こいつ
 人の身を知らないのか。この俺がこんな目に合ったんだぞ、しかもお前からしかけて来たんだぞ。泣くな。ムカつくぜ。
 はいっ、ドーーン!!着物の真ん中を切片で真っ二つに切り裂く。 白い肌と薄い谷間と肋骨が露わになる。不思議と、性的興奮は全然湧かない。
 だから、思いっきり胸の間、肺の表面だろうところを膝で蹴った。息が止まる。相手の。
 ほらな、股だって蹴れる。黒い毛が生えてるね、リアル。ほら、おらな、全然そんな気分じゃないぜ。げしっ、身体が浮く。公園の芝生に身体が落ちる。仰向けで息も絶え絶えな女体と真っ白な肌と上下する肺の動き。ところどころが赤く変色している。青くも。痛々しい。ふと、胸にすくものを感じた。
 ーーーー、一瞬でなにか萎えた。冷めた。
 ごめんな、ハグする。頭を撫でる。
 女はもう涙も枯れ果てている。肩で顔を載せ、はぁっ、はぁっ、と浅く薄く息を吐くだけだ。
 公園のベンチに座らせ、寄り添う。肩に手を乗せ、背中をさする。ごめんな?とか、痛かったよな?とか言いつつ。愛情がやっちまった感と申し訳なさ感、から来る。愛おしさがのこみあげてきた。不思議と、性的な感情は湧かない。愛おしい。
 落ち着くのを待つと、一緒にさっき自分が買った自動販売機のジュースの缶を開け、少女と飲む。並んで。
 感情は読み取れない無表情だが、こちらを頼って来る。なぜだろうか、どういう心境の変化だろうか、こいつ大丈夫なんだろうか?、さきほどまでマウンティングポーズでぶん殴られてた相手だぞ?ともかく、こちらもまあ普通の精神状態で接しているわけてはないから、これで好都合だ。一緒に家へ帰る。ちなみに、俺の家だ。
 自室で、電気を点け、ベッドに座らせ、身を濡れたタオルで拭いてやり対応する。
 上半身裸だ。おおっ、エッチだ。やっとだな
 ムラムラっときたが、やっぱりそういう直接的なエッチな気分ではない。ぜ。
 なので、紳士に応対させて頂く。可愛いね。
 お腹空いたか?ううん。そうか、まぁ後でもう一回聞くか、今はそんな気分じゃないにしても後々お腹が空いてくるかも知れないしな。
 俺も。なんだか多分今彼女と同じ感情だな、知らないけど。そんな感じする、
 ベッド上に半裸で座る少女。目に毒だぜ。
 しばらくイチャイチャして過ごしたいな、そんな気分になっているな。お前もか?
 今思えば、あの時俺は大人でいうところのセックスの替わりにバイオレンスにして彼女と深く暴力的に感情をぶつけ合ったのだろうか。
 知らないけど、取り敢えず今腕枕してやっている彼女の穏やかな寝息と、頭の重さと暖かさに、幸せを感じる。 どうしよう。おやすみ。